トレーニング界隈では、当時ほとんど話題に上がらなかったのですが、昨年個人的にものすごく驚いた記事を読みました。以前、Facebookにはアップしていたのですが、今回はそのお話をここでいま一度あらためてします。
40歳あたりを過ぎた方なら多くの方が感じていると思いますが、食事量は変わっていないもしくは減っているのに何故かお腹や腰回りなどに贅肉がつきかつ痩せにくくなる、いわゆる中年太り(他の言い回しは無いものか?)。
これまで中年太りの理由は「基礎代謝が下がり始めるから」と言われ、これを防ぐためには食事内容を制限しつつ食事量を減らすという方法が一般常識でした。
ところが、実はこの中年世代の基礎代謝がいちばん高いことがわかったというのです。
(前略)国際的な科学者チームが米国の科学誌「サイエンス」に発表した論文で明らかにしたのは、中年太りの原因は代謝量の変化ではないという事実だった。常識が覆されたのである。〉
出典:中年太りの原因は「代謝の衰え」ではなかった! 「サイエンス」に掲載、本当の原因は?|デイリー新潮
当時、上記の記事の内容には驚きました。
基礎代謝は20代から50代ではほとんど変化せず、実際は30〜40代が一番基礎代謝が高いという結果で60歳半ばでも基礎代謝にほぼ違いはないということなのです。
先に申し上げましたが、これまで、というか今でも中年太りの原因は中年以降に基礎代謝が下がるためであるという認識が一般的だと思います。
そのため、基礎代謝が低いということを前提にして、食事制限を中心にしたダイエットが今でも多く行われています。
食事制限が9割+運動は1割。これがダイエットの常識だと認知されているようです。
ここで重要なのは、「中年太りの原因は何なのか?」という答えが先の研究結果によりわかったことです。
中年太りが始まる40代が一番代謝が高いはずなのに、なぜ太るのか?
摂取カロリーとカロリー消費の差によるもの、などいろいろな説がありますがここではシンプルに言います。
その答えの一つとして重要なのは『運動不足』です。
「健康を維持する」という観点から言っても、まずは早いうちから定期的に運動をし筋肉量を減らさないことを第一に考えていただきたいです。
ダイエット目的のために過度な食事制限を行うとエネルギー不足になり、目まいや頭痛など、身体のいろいろなところに不調が出てしまう方が多く見受けられます。活力が失われ、次第に気分の落ち込みや感情の起伏が激しくなる場合も・・・。
「体重が減った!ダイエット成功!」となり、気が抜けてしまい暴飲暴食に走り結果的にリバウンドをしてしまう話も耳にします。
決してダイエットがすべて悪ということではありません。ただ、基礎代謝の低下を理由にし、行き過ぎた食事制限には気をつけていただきたいということです。健康を害してしまっては元も子もありません。
中年太りの解消の鍵は「運動」です。
当ジムでは「年間を通した健康管理」をコンセプトに掲げ、パーソナルトレーニングを始めた当初から食事制限を用いた短期間集中型のダイエット指導を行っていません。
ただ「痩せる」ことよりも「健康でいる」ことのほうが重要と考えているからです。
もちろん、会員さまから食事に関する質問をいただいた時にはアドバイスをさせていただいております。しかしそれはあくまで、トレーニングの継続を軸に考えたうえでのアドバイスです。
中年太りを気にされている方はもちろん、若い世代の方で太り気味の方も同じく健康維持のためにまずは運動習慣の確保から始めてみてください。
継続は力なり。
では、次回は肥満から引き起こされる体に現れやすい症状について書こうと思います。